遺言書を取り巻く問題
「亡くなったあと、揉めないように遺言書を作りましょう」
多くの専門家がそのようにアドバイスしています。
確かにその通りで、
財産の分け方の指定があれば話し合いはスムーズに進みますので
ぜひ残して頂く事をお勧めします。
しかし、たとえば
「連絡がとれない相続人がいるから、その人のせいで手続きが進まなくなるのを防ぎたい!
だから妻に不動産や預貯金をすべて残すように遺言書を残したい」場合、
「全財産を妻に相続させる」
という内容の遺言書が出来るでしょう。
公正証書で作っておけば間違いありません。
この遺言書をもって不動産の名義変更は出来ます。
しかし、預貯金の解約・名義変更は・・・
しかし、預貯金についてはこの遺言書だけだとNG・手続きが出来ない事が多いのはご存知ですか?
各金融機関から
「遺言書には確かにそう書いてあるけれど、念のため相続人全員の署名捺印を集めてくれ」と
言われることが多いんです!
このことは、あまり世間では知られていないですし、
法律家全員が知っているわけでもありません。
「口座解約業務に携わっている法律家」「遺言執行者」だけが知っている状況です。
近年、遺言書を残しても口座解約がすんなり出来ずに、すごく時間がかかるケースが増えて来ています。
なぜ公正証書遺言だけで手続きができないのか?
これは、そのような事実を知らない法律家が悪い!というわけではなく
(もちろん、身内擁護ではないです)
ここだけの話、各金融機関の対応がよろしくないのです・・。
実は、過去にこの問題で争った判例がありまして、その時の裁判所の決定を簡単に話すと
「公正証書で作られた書類が法的に一番強い=上位書類であり、その内容を疑う事はできない」というような内容でした。
公正証書は公証役場という国に属する組織で作ってもらいます。
つまり、それ以上の法的に強い書類は存在しないのです。
しかし、その書類だけでは手続きできないという金融機関。
もちろん、金融機関もお金を預かる・貸す立場から「念には念を」という気持ちがあるのも十分理解できます。
しかし、本当に連絡が取れない人がいるから遺言書を作った場合、今の対応では
遺言書を残した意味がなくなってしまうのではないでしょうか?
ぜひ、今後解決策が出来る事を願っております。
しかし、待っているだけでは、いつになったら出来るか分かりません。
この問題をすべて回避・・・というわけではないですが
大部分回避できる遺言書の残し方
があります。
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